24270人が本棚に入れています
本棚に追加
/1578ページ
その時、『失礼します』とメイドがお茶を運んで来た。
総帥の前、菜摘さんの前、シンの前とお茶を置き、
最後に自分の前にカップを置いた時に、バランスを崩してほんの少しお茶をこぼし、
『も、申し訳ございません!今すぐ淹れ直します』
と彼女は慌てて頭を下げた。
『いや、ほんの少しこぼしたくらい、別にこのままでいいよ』
サラリとそう言って、ポケットからハンカチを取り出して、零れた水滴を抑えるように拭うと、
『…………ッ!?』
皆はまるで、珍獣を見るような目を見せた。
最初のコメントを投稿しよう!