第14章 『王子飛翔』

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その時、『失礼します』とメイドがお茶を運んで来た。 総帥の前、菜摘さんの前、シンの前とお茶を置き、 最後に自分の前にカップを置いた時に、バランスを崩してほんの少しお茶をこぼし、 『も、申し訳ございません!今すぐ淹れ直します』 と彼女は慌てて頭を下げた。 『いや、ほんの少しこぼしたくらい、別にこのままでいいよ』 サラリとそう言って、ポケットからハンカチを取り出して、零れた水滴を抑えるように拭うと、 『…………ッ!?』 皆はまるで、珍獣を見るような目を見せた。
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