24361人が本棚に入れています
本棚に追加
「ご、ごめんなさい、なんだか勢いで」
恐れおののきながら後退りするシンに、桐華は小さく息をついた。
「まぁ、いいわ。楽しませてもらったし。
樹利もパリスも、実物と違うんだけど違和感はなくてパラレルワールドを覗いてるみたいだった。
シンはたいしたものね」
そう言ってニッコリ笑った桐華に、シンは頬を紅潮させた。
「あ、ありがとうこざいます」
「次回作も楽しみにしてるわね」
「あ、僕も楽しみにしてるよ、シン君」
そう言う桐華と忍に、
「ありがとうございます。
でも、少し執筆から離れようと思ってて。夢中になりすぎちゃってたから」
と柔らかく微笑んでそう答えたシンの背後で、美咲は何も言えずに目を伏せていた。
最初のコメントを投稿しよう!