第5話 『まわる歯車』

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「ご、ごめんなさい、なんだか勢いで」 恐れおののきながら後退りするシンに、桐華は小さく息をついた。 「まぁ、いいわ。楽しませてもらったし。 樹利もパリスも、実物と違うんだけど違和感はなくてパラレルワールドを覗いてるみたいだった。 シンはたいしたものね」 そう言ってニッコリ笑った桐華に、シンは頬を紅潮させた。 「あ、ありがとうこざいます」 「次回作も楽しみにしてるわね」 「あ、僕も楽しみにしてるよ、シン君」 そう言う桐華と忍に、 「ありがとうございます。 でも、少し執筆から離れようと思ってて。夢中になりすぎちゃってたから」 と柔らかく微笑んでそう答えたシンの背後で、美咲は何も言えずに目を伏せていた。
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