第5話 『まわる歯車』

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「……時々考えるの」 「うん?」 「もし樹利と出会えてなかったら、私はどうしてたのかな?って」 そう漏らした可愛に、 「どうしていたと思う?」 と視線を合わせた。 「どうしていたのかな? 大学をあのまま卒業して、どこかに就職して、誰かと出会って結婚していたのかな? 樹利はどうしていたと思う?」 「……そうだな、ずっとマンションに住んで独身を貫いているか、もしくは二回くらい離婚して、結果一人身になってそうだな」 サラリとそう言った樹利に、可愛は「二回って」と笑った。
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