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「可愛はさ、どんな場所でどんな人といても懸命にがんばれるから、きっと俺と出会ってなくても、誰かと出会って結婚して、その生活をイキイキ楽しんでいるだろうなって思ってる」
そう漏らした樹利に、
「そ、そうかな」
と可愛は戸惑いながら苦笑を浮かべた。
「ああ、誰と結婚しても、可愛は幸せになるし、なれる強さを持ってると思うよ。
でも俺は違う。
可愛と出会ってなければ、本当に最悪だったと思うよ」
そう言ってつないだ手に力を込め、しっかりと視線を合わせた。
「ありがとう、可愛。
今の幸せのすべては、可愛のお陰だと思ってる」
目をそらさずに強い口調でそう告げた樹利に、可愛は大きく目を開いた。
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