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それは著者の中で、くすぶり続けていた題材でした。
思い返せば幼少期には、『妖怪大辞典』的な書物を読んでいました。時を同じくして、妖怪を題材にしたマンガやアニメなども見ていました。
人外の者は、恐怖の対象となり得る。
現実問題として、目の前に妖が現れたらそうなりそうなもの。ところが、妖怪を題材にしたマンガやアニメは、案外そうでも無いのです。
確かに、悪い妖怪も出てきます。
ですが、主人公と妖怪が協力してだったり、良い妖怪が人間を助けたり。
そうした作品の作者の方も、昔からの伝承などの中にあった妖怪との共存や、妖怪を奉る習慣が頭にあったのでしょう。
そして著者の中にも、同じようなものが植え付けられていたのです。
やがて大人となり、妖怪の違った一面が見えてきます。
それが、伝承や風土記の中で作り上げられた妖怪。
思い込みによる心霊現象。
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