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当時の幻幽斎が、三百年もの間で修行したとしても今の大妖には勝てない。
それでも、彼になら任せられると思った。
大妖と直接戦うまで、いくつの戦いを乗り越えるだろう。その戦いの中で、彼は大妖に匹敵する力を得てくれる筈。
幻幽斎は、そう信じ力を抜いた。
蠢く、大妖の妖気。
それは、幾多の竜巻が絡み合うようにうねり、それぞれに力を高め合い四方へと膨れ上がって行く。
悪意や憎悪。
全ての負の感情が、その力の源となっている。故にうねりの一つ一つに、意思があるかのようでもあった。
膨張した負の力は、今にも弾けそうな緊張感を放つ。
社の扉を封じていた、幻幽斎の呪符が力無く床へと落ちた。
その瞬間、社の扉が弾け飛び、内に封じられた全ての存在が、結界の外へと放たれた。
折原 幻幽斎は闇の中にいた。
それまで、意識に届いていた大妖の声は、それと同時に聞こえなくなっている。
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