後日談2

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「待て、マルグリットを運んでから戻る。医者は私たちの寝室に呼べ。」 「陛下!?そんな大事な会議があるなら早く戻って下さいよ!…やだ、ちょっと歩けますって…わっ!?」 「うるさい。」 ヴィルフリートは会話もそこそこに、マルグリットを軽い物を持つように抱きあげた。 意外と頑固なところがある王は、こうなってしまったら何者の意見も聞きはしない。 腕の中の王妃は、はあ、と息を吐きだした。 そして背後のユインに視線を向け、 「ほら、陛下は私に甘過ぎますもの。ダンスを踊ったって、褒めるばかりでちっとも練習になりませんわ。」 と、言って苦笑した。 身を翻し、寝室へと歩みを進める彼らの背を眺める。 賑やかに言い合っている夫妻の姿を見ながら、ユインは確信した。 ――彼らは、出会うべくして出会い、結ばれるべくして結ばれた。 例え、マルグリットが『なりかわって』下女になっていなかったとしても、ヴィルフリートがおかしな下女を見つけていなかったとしても。 きっと、王は変わりものの令嬢であったマルグリットをどこまでも追いかけ、結婚を迫っただろう。 故に、自分が邪推する必要など露ほどもなかったのだ。 そう思った。 ユーディーン・アラン・バートレットは、国王夫妻を見送った後、医師を手配すべく足早に回廊を駆けて行った。 心なしか、憑きものが落ちたような、すっきりとした顔をして。 .
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