52人が本棚に入れています
本棚に追加
「先生、何のお花が好き?」
「このジュースは健康に凄く良いの。絶対飲んでね!」
「このお菓子は、先生が私を好きになるように魔法をかけてあるの」
――皆食べて。タベテ、タベテ、タベテ?
部員達の本音を言えば、美人からの差し入れだったら文句を言わず受け取っただろう。
ニキビは赤く、所々膿も出ていた。腫れぼったい一重瞼の細い目を、かえるのように見開き、彼女は部員達に気を使った。
――気を使ってあげている。
彼女はそう思ったのだろう。こちらから見れば、ただの親切の押し売りだった。醜い彼女からの差し入れを、誰もが不気味に思え、遠慮したかった。
最初のコメントを投稿しよう!