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部員達は徐々に、苛立ち始めていた。彼女に対する視線や態度、日に日に扱いは冷たく、酷いものへと変わっていった。
そして各自きっと心で呟いていたんだろう。部長にするべきでは無かったと。
彼女は気を使うことに囚われ過ぎて、誰の目から見ても作品制作に支障をきたしていた。
他の部員達が3枚描き終わっている所、彼女はまだ1枚も書ききれていなかった。
その事も仇になったんだろう。醜さも打ち消す程の効力のある美の絵を、部長という肩書きを受け取った時から、まだ1枚も書いていないのだから。
彼女に「絵はまだ完成しないのか? 学園の絵画コンテストも近々だぞ?」と、遠まわしに諭すように言い出したが、
「皆さんの力になるよう、努力するほうが先なんです」と言い返され、思うように伝わらなかった。
部員達も我慢の限界が来たようで、お菓子やジュース、彼女の手作りの差出物には、等々、手をつけなくなった。
それもそうだ。あの吹き出物を見ていると、まず食欲が無くなる。
――ナゼナノ? ナゼ、ミナサン、テヲツケナクナッタノ? ナゼ、ニラムノ? ナゼ? ナゼ?
部員達は、もう差し入れは要らないんだと、彼女が気づくと思ったらしいが、裏腹に手作りのお菓子は増えていった。
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