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「誰だっけ、あの担任……そうそう、山吹先生って駄目よねー! 全然、葉月の気持ちが分からないの。でも先生って所詮そんなものよねぇ。
はいどうぞ、海老の殻を剥いてあげたよ。あーんして、はい、あーんっ」
俺は言われるまま、口に身を銜えた。甘海老よりも歯ごたえがあって、カクテルソースにマッチした。
「所詮か……そうだなぁ。クラスメイト全員の心を把握するのは難しいな」
ばつが悪そうに、ボトルを手に取りワインを注いだ。
「担任でもない山田先生の方が、葉月の心を分かっていたでしょ? 葉月だけじゃなく、問題を置いて逃げたんでしょ? 引越しまでするとは思わなかったなー」
「責めているのか? それとも酔ったのか? まあいい。どんどん飲みなさい」
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