派遣会社 エグザム

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「ここよ。部長」 海老が一匹大きく描かれた門構え。イタリアンでも海老を一押しにしているお店だった。 入り口の扉を開けると、年配夫婦が丁寧にお辞儀をしてくれた。のほほんとした空気に、落ち着いた。 「いらっしゃいませ。こちらへどうぞー」 良い歳の取り方をしたんだろう。顔に切り刻まれている皺がとても可愛い奥さんだ。 「適当に頼んでくれ、りりか」 「はぁーい。じゃあ、赤ワインのボトルでカルミオーネと、和牛レバーのカルパッチョ えーっと……甘海老のアボガドタルタル、シーフードのリゾット、ギアナ海老のボイルでお願いします」 「かしこまりました」 注文するその笑顔は、とても可愛く眩しかった。若い頃に見た、高校生の時の彼女と重なった。
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