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「お待たせしました。赤ワインのカルミオーネでございます」
二つのワイングラスに、ガーネットのような赤い液体が注がれる。そっとテーブルにボトルが置かれ、店員は軽く会釈をし下がった。
「乾杯部長……んっ、美味しい!」
「家でじゃ、こんな高級ワインは飲まないからなぁ、やっぱり美味い」
ワインを店の明かりにそっと照らすと、赤が引き立ちルビーのように煌いた。
「りん、うるさいの? お酒とか?」
「いや全然。前の奴が、酒を大量に飲んでたりしたもんだから、ちょっとな」
「ふぅーん、前の奥さんか……」
りりかは一気にワインを飲み干した。グラスを置き、上目使いで見つめる。
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