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その潤んだ小悪魔の目に、合図されたようにワインを注ぎ足す。
「お待たせしました。和牛レバーと甘エビのアボガドタルタルです」
「うわぁ~ありがとう! これ美味しいんだよ! 部長早く食べてみて!」
銀のフォークで、甘海老にそっと刺した。身がぷちっと音を立て、弾力のある海老だった。
「うん! 美味い。これならワインも進むな。来て良かった」
「でしょ? 牛肉のカルパッチョも贅沢な味だよ、とっても幸せ!」
りりかは肉を、口一杯に頬張り、ニッコリと顔を左右に振った。
「幸せといえば、お前、彼氏はできたか? もう離婚して大分経つだろう」
男ができたらのなら、こちらも気を使わないとならないからな。悔しい思いで、肉に力強くフォークを刺した。
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