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咎菜が虚空からデスサイスを取り出す。
「そう身構えないでよ。別に殺すとは言ってないでしょ?」
「…………」
「君達が何をしに来たかは大体分かってる。不思議のことでしょ?」
「やっぱり、あんたの差し金ですか……。だったら……分かるでしょう?」
咎菜の瞳から敵意は消えない。むしろ、禍々しい光が増すばかりだ。それを見た白河は自分に非があるとは思っておらず、挑発するように邪悪に笑う。
対して、それを見た咎菜は引き裂けるような笑みを浮かべた。それは、恐らく怒りとも憎しみとも違う感情か。
「ぷはは……やっぱり、殺しておくべきでしたね、あんたは」
ようやく目の前の女狐を敵として判断することが出来る。
「まあまあ。まずは一緒にランチでもしましょうね。折角、私が料理を作ったんだから」
咎菜の顔が僅かに歪んだ。
この状況で一緒にランチ? ふざけてるのだろうか、この人は。
「……毒でも盛ってんじゃないでしょうね……?」
敵の陣地に踏み込んでいる身としては当然の反応だろう。
しかし、そんな当たり前の反応が通じる相手ではないことは、咎菜自身が良く分かっていることだった。
「ビーフシチューを作ってみたんだ♪」
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