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しかし、そんな予想は大きく外れた。
咎菜との間でしたゲームは、白河の完敗。『勝った方が負けた方を殺す』という賭けも、咎菜が放棄したから良かったものの、一瞬、死にたくないと思ってしまった自分がいたのも事実だ。
それからたまに白河は咎菜にちょっかいを出したり、アドバイスをしたりと……色々あったが、結局はただの気紛れだった。
根本的な白河の歪みは変わらない。
だから、白河は『プルガトリオ』なんてイカれた組織に所属している。
主に目立ったことはせず、遠くから観るだけの組織。基本的には中立な立場なので、何もしないのだが、害があれば敵を作るし、利があれば味方を作る。
舞台を演じる役者を傍観するような組織――それが『プルガトリオ』だ。
今回の件も、そんな『プルガトリオ』にとっては、至極当然な活動内容かもしれなかった。
と――勿論、そんな彼らにも敵は存在する。咎菜慎理のような奴も珍しくない。今までのように葬るだけだ、と思っていた。だからこそ、簡単にくたばられてはつまらないと思い、実はまだ戦えるなんて展開を、白河はどこか期待していた。
が――所詮はやはり期待だ。彼女の背後に立っていたのは、咎菜慎理ではない。
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