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最悪な現在を生み出すのは、いつだって最悪な過去からだけである。
いつだったか彼女が言ったことだ。悪いことはいつまで経っても続くものだ。彼女はそれを嫌と言う程思い知らされている。
オゾケノモリ フシギ
怖気森 不思議。
この名前も、自分で付けた記号のようなものでしかないし、女子高生という社会的立場も、ただ生きやすいから、という理由からでしかない。所詮は自分のためだ。
ユキハラ フユゾラ
雪原 冬空を助けたあの時も、迂闊に人間に恋をしたあの時も。結局は彼女の我儘だった。
だからこそ、彼女は振り返る。同じ過ちを繰り返さないために。
イヌガミギョウブダヌキ
犬神刑部狸。
妖怪の名前なのだが、まぁ、知ってる人はそれほど多くはないだろう。
ざっくり説明すると、四国の化け狸の親玉のようなもので、神通力に長けている。
家族と言えるものはいない。天涯孤独というものだ。
そんな彼女が私立四季上学園の生徒会長になるまでは、普通の小学校、中学校を通ってきた。勿論、バックアップをしてくれる存在もいた。
類は友を呼ぶ――という訳ではないが、妖怪は妖怪を呼ぶのか、彼女の保護者もまた、妖怪だった。
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