白河 玄翁(シラカワ ゲンオウ)

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 線の細い体。漆黒の髪は左目を隠していた。整った顔立ちだ。腰には帯刀。服装はどこかの学校の制服のように見える。  『プルガトリオ』のリーダー――   ジ オウセツ  「時 王刹……」  普段はいきなり身内の行動に割り込むような性格ではない。  「何しに来たの? あっ、もしかしてアレ? 私が色々組織のタブーを犯してるとか言って、私を粛正しにでも来た?」  表情は笑っているが、内心生きた心地がしていなかった。仲間の話によると、昔、『プルガトリオ』のタブーを犯した奴がいて、その末路は最悪なものだったという。  「? いや、別にそんなつもりで来たんじゃないよ」  ホッと安堵の息を吐く白河。  (しかし、だったら何をしに――)  「僕が来たのはね――」  と、まるで白河の考えを見透かしたかのように王刹が言った。  「僕が来たのは――君にちょっとしたアドバイスを、と思ってね」  「アドバイス?」  白河が怪訝そうに眉をひそめる。  「彼、逃げたよ」  あまりにあっさりとしたアドバイスに、一瞬白河は、自分が何を言われたのか、理解出来ずにいた。  事態を飲み込んだのは、10秒後だった。  「っ!!」
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