とある母の日の出来事《エピソード》

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 そう思ったところで、また無駄な疑問が生まれた。  ――いつから、息子はあんな風に生意気になってしまったのだろう? と。 「~~~~っっもう!!」  グシャグシャと頭を掻き殴る。  ムシャクシャした。息子にではなく、そんなことを考えてしまった自分に。  熱血漫画やアニメだと、壁なんかをグーでぶん殴りたい気分だ。それぐらいに、ムシャクシャし、苛立ち、嫌悪した。  息子がいつから生意気になったかなんて考える親って、最悪じゃないだろうか?  息子の年齢を考えれば、多少生意気というか、自分の考えを持ち始めて反抗することが多くなるのは当たり前なんだ。  わかっている。わかっていることだけども……―― (なんだかなぁ……)  何か引っかかる、というよりは何かが胸の中で纏わりついて雁字搦めになってる気分。決していい気分でないのは確かだ。  独りで考え事をして、独りで勝手に気分を悪くする。なんとも滑稽な話だ。  用も済んだ事なので、一階から二階のリビングへまた移動を始める。  今日はパートも休みで十分にリフレッシュすることができる。そう思って、ぐっすり眠っていたのだが、朝のいざこざですっかりお目目はパッチリだ。  予想以上に早起きしてしまったので何をして寛ごうかと考えた結果、とりあえずテレビのリモコンを持ち、電源を点けることに。  チャンネルをころころと変えたところで、放送されているのはニュースばかり。まぁ、朝の番組なんてそんなものだ。むしろここでゴールデン上等のドラマが放送されていたら不自然極まりない。  普段ニュースなどを見ない私には、やはり親しみというものが薄い。政治的な話などに至ってはちんぷんかんぷん。よってニュースはあまり観ない体質なのだ(主婦としてどうなのかと言われたら、きっとダメなのだろうけれども)。  だが、そんな私が今日は少し興味を示す、珍しい事項が表記された。
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