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3日
唐突にオリジナルサーヴァントで戦闘してみる
【英霊、燃ゆ】
波打つ大剣の切っ先と朱槍の穂先が交錯し、大気に紅の火花を咲かす。
何合目かの刃の交差の後、大剣を手繰るライダー──ルノー・ド・モントーヴァンが「ハハハッ!!やりおるな!」と豪快な大笑と共に声を上げた。
「東方端の島国の英霊と侮っていたが、とんだ誤算だ。ランサーよ、貴方もまた熱く猛き騎士だったか!」
「拙者は武士(もののふ)、お主ら西洋の者の尺度で計れると思うな!燃えよ、我が魂!“六文銭・不惜身命”……はああぁぁぁああぁぁあッ!!」
対し、腹の底から気合い一声張り上げて朱槍を構えるランサー、その名は武田が一番槍──真田幸村。
ランサーこと幸村が声を張り上げると、周囲に紅蓮の炎が噴き上がる。
彼の宝具“六文銭・不惜身命”の効果による心炎の具現化である。
赤備えの甲冑に舞い上がった炎の光が反射する。
ある種幻想的にも見える炎と色彩の乱舞に一瞬「おぉ」と息を呑むルノーだったが、すぐさま手綱を手繰り、手にした“聖炎剣(フランベルジュ)”を構え直し叫んだ。
「いい熱さだ!オレも負けてはいられんなぁ、さぁ駆けよ!そして踏み潰せ!“激烈の紅馬(バヤール)”!!」
甲高い嘶きと共に巨馬が大地を踏みつけた。
蹄が大地を抉り、地鳴りにも似た足音を伴って疾駆する。
──否。実際に大地は揺れていた。蹄の蹂躙に悲鳴を上げ、轟いていた。
弾丸のごとき疾(はや)さで迫る紅馬の巨影はさながら火炎を纏う隕石のよう。
走行線上に存在する全てを破壊せんとする脅威に対し、幸村は浅く息を吐き、槍を握る腕に力を込めた。
──次の一撃で決着が着く──
数多の戦場を駆け抜けてきた両者にはそれが理解(わか)った。
時代も、文化も、踏み締めた土すら違う二人だが、その生涯は紛うことなく武勇に彩られた英雄のそれ。
だからこそ──戦いの中で生き抜いてきた騎士/武士だからこそ──二人には次が決着の時だと第六感的に理解できた。
「もっとだ!高まれ“聖炎剣”ッ!!」
「燃えよ!!幸村ァァァ!!」
鎧に刻まれた傷痕こそ我が誉(ほまれ)なりと誇る英傑であるルノーと幸村。
その胸にあったのはいつまでも燃え尽きぬ熱き魂と、そして主への深き忠誠。
長き決闘の末、立場が違っただけの両者の炎が交錯し──
【了】
2:15
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