転校初日

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玄関で靴を履いていると 兄貴が部屋から何かを持ってきた。 「これ。」 「…眼鏡?」 「度は入ってないから。」 兄貴は眼鏡を私にかける。 「よし。これでみくの美貌が少しは隠れる。」 駄目だ… この兄貴… 馬鹿すぎる… 「心配しすぎだって。」 「いーや。必要だ。それに知り合いが学校にいないとは限らない。少しは変装にもなるだろ。」 「…」 「付けてかないなら…」 「ワー。ウレシイ。メッチャメガネホシカッタンダー。アリガトウ。オニイチャン。」 慌てて棒読みのセリフを口にする。 断ったら… 付いてくる所では済まない… 馬鹿兄貴の馬鹿は計りしれない… 「よろしい。」 「じゃ行くね。」 「おう。十分気を付けろよ。」 「はーい。」 チッ 玄関を出て舌打ちする。 何だよ眼鏡って。 馬鹿じゃね? 変装なんて…必要…ねーよな?
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