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俺のそんな言葉に、七瀬は優しく微笑んでから
「男二人酒、イイねー」
と、言って肩を揺らしてクスクスと笑った。
そして、「私はね」と続ける。
七瀬はこう言ったんだ。
「私はこの子をきちんと叱ってやれる親になりたい。間違ったことを、きちんと正せる親になりたい」
七瀬は力強い口調でそう言った。真っ直ぐに俺の目を見る七瀬は、既に母親としての覚悟が出来ているように見える。
「時にはこの子を、疑える親でいたい。信じているからこそ、疑えると言うかね。
うちの子に限ってとかそんなんじゃなく。信じているから、疑ってこそ、真実を確かめたい。そして、きちんと目を見た後に、最後までこの子を信じ抜きたい」
それを聞いて、俺は思ったんだ。
やっぱり俺の役目は……
「イイ親父」になることでもなく、「立派な親父」「尊敬される親父」になるのでもなく。
七瀬と、今はまだお腹の中でプカプカと浮いてるお前を命の限り全力で守りきれる親父でいたいと。
俺はそう思う。
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