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「そういえば、最近どうなの?」
枝豆を口に放り込みながら、小春の質問が私に飛ぶ。
「どうなのって、何にもないよ。ある訳ないじゃん」
「七瀬、どうすんの? もう27だよ、私達。あんな不毛な片思いをいつまで続けんのよ」
あぁ、また始まった。耳を塞ぎたくなるような痛い話。
「もう、声が大きいっ!」
小春は飲み出すと、いつも声のボリュームが上がるのだ。さすがに周りにいる見知らぬおじさん達に、聞かれるのはごめんだ。
「もういい加減にやめときなよ、大和なんて。
もし、もしもだよ!? 間違って、大和が七瀬に落ちたとしても。
七瀬にはあいつを制御出来ないよ。恋愛上級テクニックに騙されて泣くだけ」
小春の言葉の中に、チクチクとした嫌味が含まれていたことは、いつものことだからスルーしますが……
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