冷たい手

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 吐息がーー  私たちを取り巻く空気をじんわりと湿らせる。  二人の身体から発せられる熱が、この部屋の温度を上げ、凍える外界と私たちとを薄く隔てる窓を白く染め上げていく。  私に触れる彼の手はいつも冷たい。  ひんやりと細い指が私の身体を這い、火照る私の輪郭をくっきりと浮かび上がらせる。  彼の手の冷たさは、私の感覚をより研ぎ澄まさせ、言い知れぬ快楽を連れてくる。  彼の情熱を受け止めきれぬ私は、その刹那、全身を震わせ、深い夜の闇へと意識を落とした。
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