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一週間後
昼休み、友達と3人で食堂に来た。
篠原さんに対してはそこまで深く入り込んではいないものの、少しだけ廊下で見かけると寂しくなるぐらいの気持ちではあった。
「あ、森田さんいる!」
森田さんの名前を聞くとどうしても彼女を連想させられ、無意識に探していた。
もういつもの癖だ。
食堂のテーブルには彼女といつも仲良くしている3人、そして2年の先輩たちが一緒にいた。
もちろん男前で一人だけオーラが違う久保先輩も。
座りながら立っている久保先輩と話をしている篠原さん、今まで見たこともないような安心しきった顔。
久保先輩は穏やかな笑顔で彼女に微笑んでいて仲睦まじい二人を見て心がチクリと痛んだ。
俺…全然入る隙ないじゃん…。
「あー、中山くんだ!」
ぼんやりと2人を見ながら立ち尽くしていた俺はハッと声をかけられ、目の前に人がいることに気づいく。
「中山くんどうもー!」
「…どうも」
丸山さんと森田さんだった。
なんで俺の名前知ってんだろ、篠原さんかな。
2人は財布を持っていて、自販機前にいる俺のところで立ち止まっているのを見て、多分飲み物を買いに来たのだと分かった。
「中山くんと話すの何気に始めてよね?あたし夏帆の友達の幸子、よろしくねー!」
「…中山 翔太です。」
全く人見知りせず、ハキハキと話す丸山さんに少したじろぐ。
「幸ー、急にそんなテンションだったら中山くん引いちゃうわよー」
隣の美人な森田さんは丸山さんに呆れていた。俺の友達は緊張した面持ちで黙り込んで森田さんを凝視。
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