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今朝からなんとなく嫌な予感はしてた。
俺はこういう野生の勘っていうの?はすごく当たる。
「中山くん、ごめんなさい」
…やっぱり予感的中かよ。
ここは中庭、目の前には頭を下げる篠原さん。
前に一度、篠原さんと昼ご飯を食べた思い出の場所。
そして今日記念すべきフラれた場所に今、なった…。
篠原さんはすごく言いにくそうに下を俯いている。
「えと…その、好きな人が出来て…それで…」
「……そか。いや、大丈夫。気にしないで」
男として俺が言えるのはこれぐらい。
正直全然大丈夫じゃないけど。
「あの…本当にごめんなさい。」
「うん。…普通の友達としてよろしくな」
「いいの?…本当にいいの?」
顔を上げて一気に明るい表情になった篠原さん。
やっぱり綺麗事言うんじゃなかったな。
何カッコつけようとして、自分の首絞めてるんだ俺は。
現に今も胸が痛むっていうのに。
「ああ、最初から友達だろ」
「うんっ、中山くんやっぱり優しいね。ありがとう」
優しく見せてるだけだよ、本当に胃がキリキリしてるんだけどな。
「あのさ、…好きな奴、聞いてもいい?」
未練ったらしいな俺も。
分かってるけど、相手次第では頑張れるチャンスがあるかもしれないとか思ってしまう。
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