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真っ暗闇の中にも関わらず 私はしゃがみこんで、手で口元を押さえる は、早く、早く出なきゃ…… こ、これは、 ここにいちゃ、イケナイ 私はJKだ なんでも興味のあるお年頃で きっと、今、ここで、何が起こっているか 起ころうとしているか そしてそれが、私達にはものスッゴク興味のある事柄であるのが手に取るように分かっていた そんな事を考えている間にも 事は運んでいるようで ヤダ、ヤバい! に、逃げなきゃ! 這いつくばった姿勢のままで 後ろのドアへ向かう どうやら一番前の広めの教卓の上で繰り広げられている宴はさらにボルテージをあげていた ドキドキと刻む心臓は 逃げなきゃ、という思いと 見てみたい、という思いの二つをいっぺんに現していて でもどっちかというと、後者の方に軍配が上がる 欲に負けるのが人間の弱さで そんな私は先程も申し上げました通り弱い人間で ゴクリと唾を飲み込んで 後ろを、いや、前か…… ってこの際どうでもいい! 意を決して、振り返った 教卓のすぐ左上にある非常口の光が 朧気ながらも教卓の上を映し出す 暗闇に慣れてきた目でも 人物の特定は難しかった その時、女子が声を一段と高くして 「ゆうっ!」 と、叫んだ 不覚にもそれにビックリして 足を椅子に引っ掛けてしまう ‘ガタン’と音を立てて倒れた椅子 「キャアっ」 女子の悲鳴 ガタガタと鳴る音 私の心臓は最早今までの人生の中でマックスに震え出す ヤバいヤバいヤバいヤバい ヤバいヤバいヤバいヤバい 頭の中がそれだけでいっぱいになり 椅子を倒した以上に音を立てながら視聴覚室を飛び出した
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