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家に辿り着くと
弟が、私の格好を見て悪態をつく
「ねーちゃん、女子高生じゃねーな」
「へ?」
「砂まみれだし、汗まみれだし
……なんか、汚い」
「うっ、うるさい!
バスケしてたのよ、バスケ!」
玄関で確かに汚い靴下を脱いで
ハーフパンツも脱いで
Tシャツも脱いで……
「ねーちゃん、やっぱちょっと
気にした方がいーよ、それ」
「へ?」
「へ、じゃなくて、男の前で平気でパンツとブラジャーになってんなよ」
「やだやだ、武瑠(タケル)恥ずかしいわけ~?」
ケラケラと笑うと
「ちげーよ、バカ」
「あははー、照れんで宜しい」
あたしが洗濯物を抱えた時
ヒョイ、と覗いた顔に、魂が飛びそうになった
「エリー、相変わらずだな
ちょっとは女らしくなったかと思ってたけど」
そう言ってニコリと笑ったのは
もう暫くご無沙汰していた、お隣の幼馴染みのお兄ちゃんだった
「ぎ、ぎ、ぎぎゃあぁぁぁぁあ~」
私の叫び声と
「バカ……」
落ち着いた武瑠の声
荷物を抱えたまま一目散にバスルームへ駆け込む
は、は、は、
ド・恥ずかしい!!!!!!
何?何の仕打ちな訳??!
と、どうしちゃったの?
今日は、何の記念日?厄日?
もう、穴を掘って入りたい…うぅ
とにかくお風呂に入ってさっぱりしよう
途中で
鏡に映る自分の姿が少年のように見えた
あ゛ぁ゛……
こりゃ、ダメだ
そこで、完結して
とりあえず、ボディだけでも磨きあげようと、これでもかというくらいに泡にまみれた
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