22/24

8806人が本棚に入れています
本棚に追加
/512ページ
ツルピカになってリビングへ行くと 「おー、狼少女久しぶりだなぁ」 「賢兄(ケンニイ)」 私を狼少女と宣った(のたまった)この人は お隣のお家、田島家のお兄ちゃんで 私と武瑠の幼馴染み、田島賢吾(タジマケンゴ)さん 賢兄はもう大学四年生 「狼少女じゃないし……」 「裸同然じゃなー」 「来てるなら来てるって言ってよ」 「高校一年生、普通は玄関で裸にならないっしょ」 「ぐっ」 返す言葉が無い…… 「久しぶりだな、エリー」 賢兄の言葉に何故だかドキリとする ‘久しぶりだな、後輩’ さっきの柏木先輩のセリフと被って… 思わずゴクリと唾を飲み込んだ 「まぁ、外見だけは、確かに…… 女らしくなったな」 「はー?」 今さっき、お風呂の鏡で見た時 私は少年だと思ったのに 「いいよ、もぅ、賢兄 私はどーせ、少年です」 「バスケ、燃えてんの?」 「燃えてますよ、もう焦げそう」 「へー、なんでS学園、行かなかったの?」 「あ……」 そういえば、嶋口…… なんで知ってんだろ?? 「どうした?エリー」 「うん……」 私、誰にも話してないのに 「S学園、全国の常連だろ? 燃えてるバスケ、世界も目指せたんじゃないの?」 「…………だって、」 「だって?」 だって、居ないし S学園には、居なかったし 「じょ、女子校だし、S学園」 「ふーん……エリーもそんな事気にするようになったかー けど……狼少女なんだ」 賢兄は意地悪な視線を私に送った
/512ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8806人が本棚に入れています
本棚に追加