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柏木先輩のバスケを見たのは 中一の春 確か新入生対象の部活動発表の時だった 新入生に対して、在校生がクラブ活動内容を発表する、所謂(いわゆる)勧誘活動を目的とする発表会 何かの部活には入ろうと思っていたが バスケなんて全然頭の中になかった でも、それは一瞬で払拭され バスケ部の発表が終わった時点で入部を決めるくらいの衝撃を受ける 朝の朝礼時にいつくかのクラブが活動発表をする バスケは後の方の日程だったと思う 簡単なシュートからトリックシュートまで様々なシュートを披露したバスケ部 その中での柏木先輩の超、超、超、スーパーロングシュートが忘れられない そして更に凄いのがまぐれでは無い、という事をアピールする為に同じ位置から続けざまに三本のシュートを決めたのだ 私は全身の毛穴と、さらに髪の毛でさえも立ち上がる気配に覆われて その時の興奮が未だに続いているくらい 柏木先輩のバスケに魅了されている バスケ部の活動はかなりの厳しさで 色んなルールもあった 例えば髪の毛の長さとか、挨拶礼儀に至るまで 強いチームの上下関係を中学バージョンにしたくらいのモノ 柏木先輩のシュートに憧れて同じように入部した部員もやっぱり大勢いたけど あまりの厳しい練習に大半は夏までは持たず辞めてしまう 男女40人はいた新入生が夏に残った人数は14人だった 今日、久しぶりに柏木先輩と同じコートでプレイができた事は本当に奇跡だ 懐かしく思い出した頃と同じくらい 憧れて止まない先輩のバスケは 当たり前だけど、もう、そんな程度のレベルではなかった なのに、どうしてバスケ部には居ないんだろうか 先輩は、オレを抜いたら教えてやる そう言った なんとしても 教えてほしい いや、教えてもらおうじゃないか 「先輩を、抜かなきゃ……」 ベッドに寝転んで考える いつになったら抜けるかは分かんないけど もし、ソレが叶ってそして、先輩をバスケ部に入部させる事が出来るなら! 願ったり叶ったりじゃん そこまで考えて瞼を自力では開けているのが困難になる 色んな出来事で疲れた体は、朝まで目覚める事はなかった
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