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暫しご歓談を……
一人残された部屋で流れるビデオが一旦終わりを告げ
次の映像が流れ始めた
「あ……」
こ、こ、こ、これは……
間違いない
ユニフォームに刻まれているのは
間違いなく、うちの
うちの、高校
いつ、いつだ？いつなの？
「何の大会？あ、都大会！」
違う！関東大会、兼インハイ予選だ！
私の目は忙しなく右へ左へ小刻みに揺れる
探してるんだ
探してるの！
この映像はもう、決められた所しか記録されてないんだけど
それでも撮られている範囲外も必死で見ようとしている
どこにいるのどこに……
時期からして５月末～６月……
去年はそんなに大会成績はよくなかった筈
「い、」
……いた
16番、先輩、柏木先輩だ……
ここからは先輩がメインに撮られていて
試合前のコート練習をする
柏木先輩の姿が、テレビいっぱいに
映し出されていた
「先輩……」
うちのユニフォーム、着てたんじゃないですか
一年の時からメンバーに入ってたんじゃないですか……
そりゃ、そうですよね
あんなに凄いんだもん
スタメンじゃない筈ないですよね
まだ、少しだけあどけない柏木先輩
だけど、バスケにおいては先輩達より
目立っていて
綺麗なフォームから繰り出される
シュートは、次々にゴールに吸い込まれてゆく
リングにもかする事なく
ネットを揺らす
「すご……」
『あ、なつき、撮りまくってる』
『えー』
『いいよ、いいよ、撮りな撮りな
でも、スッゴいうまいよね、柏木くん』
『うん、だよね、さっきから一本も外してない』
『あー、いいなぁー、なつき、あんな…』
ガチャリと扉が開いて
私は何故か盗み見をしていた子のように
ビクッと肩を揺らした
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