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「せ、先輩……」
友達認証してないIDからのメッセージです、と注意を促す表示と共に出た名前は
『柏木 夕』と記されていた
ゴクリと唾を飲んで
『柏木 夕』をタップする
メッセージは昨日の
夕方に届いていて……
多分、私が家に到着して、すぐ後くらい
それこそ、賢兄と妖しげな雰囲気になっていた頃か
‘明日、暇?’
それだけ、ポツリと画面に浮かんでいて
今の今まで、相手には既読の文字は出ていないだろうから、無視していた訳では無いのが伝わるはず!
……って、伝わるだろうか……
で、で、、、、、でも
今、返事、返事しなきゃ!
明日って、今日だ、よね??
今の事だよね
私は何に動揺しているの?
それくらいに、誤字脱字が多発する
メール事故を引き起こしていた
‘すいません、今読みました
今日は予定あります’
たったのこれだけを作成するだけなのに
直変がうまくいかず、何度も何度も×印を押す
やっと送信して
肩で息をする自分にやっと気付いた
お、おかしい
おかしいぞ、わたし!!
震える手元が新しいラインメッセージを示す
「ぎゃ!」
‘遅い’
画面を開いたままにしていた事で
そのまま読んだ事になっていて
ってゆーか、私の送ったメッセージにも
いつの間に既読チェックが入っていたのかさえも不明
と、とにかく
‘すいません’
送信と同時に、深く頭を下げた
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