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――うっせえ。
それだけでお前みたいにモテるなら、考えるけどな。
「ほぉおわあぁあ」
『燃えよ龍』のテーマに合わせて叫んで、頭の中でしれっとしてる二ノ宮の顔を消してやった。
山道も雨も、嫌気がさすくらい延々と続く。
道端をちらと見ると、山からしみ出てきた大量の水が、幾つもの小さな滝みたいになって勢いよく溢れている。
何となくヤバいなと思った。
少し走った頃、とうとう道に茶色いものが横断して流れているのに出くわした。
後ろからは車も来ない。ブレーキを踏んで茶色い川の手前で停まって目を凝らす。ところどころ緑や石が混ざったその正体に、さわと鳥肌が立った。
土砂崩れかよ?
ヤベえ、ここからは危な――
その時、車が揺れた。
長い地響きとゴロゴロバリバリという凄い音が続いて、すぐ近くに雷が落ちたんだなと思った。
でも、それは。
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