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カッコイイ顔が近づいてきて涙を拭ってくれる。
「よく聞け・・・ゆき。今度そんな事聞いてくる女がいたら名前を教えろ。しばき倒す」
「ダメだよぉ。その子達こたクンの彼女になりたいんだから」
「ゆきは俺に彼女が出来てもいいのか?」
「しょうがないじゃん。こたクン・・・カッコイイし、モテてても仕方ないもん」
「じゃあ、ゆきは彼女作らないのか?」
「僕はモテないよ・・・引っ込み思案で、お喋り苦手だし・・・チビで眼鏡かけてて、イイとこなしだもん」
「もてたいのか?」
「ううん、僕なんか好きになる人はいないと思うもん」
「ふーん。俺は好きな奴がいるんだよ。ソイツは気がついていないけどな。今度聞かれたらそう言っとけ」
「うん・・・」
夜になってもなんかモヤモヤしていた。
こたクンが好きな子って誰だろう。今まで付き合った子の中にいるのかな?
ごはんも喉を通らなかった。
こたクンに彼女が出来たらもう僕となんか一緒に帰ってくれないよね。
どうしよう・・・ずっと一緒だったから道順もわからないや。
毎日10年くらい通っているのに。
全部こたクン任せで・・・僕、頼りすぎてたのかもしれない。
彼女が出来る前に練習しなくちゃ。
でも・・・彼女かぁ・・・考えた事がなかった。いつも一緒だと勘違いしていた。
もう中学生だし、こたクンは大きいから声変わりもしちゃったし。
それと比べ僕はいまだに子供のまんまだ。
恥ずかしい・・・ぜんぜん違って壁が出来た様な気分。
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