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「さて、ここからが重要です。」
ビショップ息を吐き、表情を引き締めた。
「クイーンは代々、ヴァンパイアと共に暮らし…その中で将来の伴侶を選ぶのがしきたりとなっています。これが貴女を迎えに来た理由です。」
「え…??それって結婚ってことですか…??」
「まぁ、そういうことだね」
突然グイッと腰を引き寄せられた。
「おい…ルーク、抜け駆けはやめろ」
「別に腰くらいいいでしょ??」
キングが注意するがルークと呼ばれた男は気にする様子もなく
さらに密着してきた。
「いい加減にしなさい。」
ビショップがベリッと効果音が付きそうなほど勢い良く二人を引き離す。
「随分話が逸れてしまいました。そして、あなたの伴侶候補というのがここに居る私達5人です。」
「えぇっ!?」
ルナは今日何度目かの驚愕の事実を知った。
「伴侶候補というわけですから、ヴァンパイアの中でも特に階級の高いものが集まっております。」
「ヴァンパイアに階級なんてあるんだ…」
「もちろんです、ヴァンパイアはS~Dの階級に分かれており、それぞれのグループの長は称号という特別な物を持っています。まぁ名前のようなものですね、それがこの5人です。」
改めて私は皆の顔を見る。
長ってことはヴァンパイアの中のトップがここに集まってるってことだよね…
そんな事を思っていると
ビショップがわざとらしくゴホンっと咳払いをした。
「改めて、私達の自己紹介でもしましょうか。そうですね、まずは階級の上の者から紹介しましょう。」
そう言って一人の男がスッと前へ出てきた。
「俺がS級の長だ。称号は王(キング)俺の事はキングと呼べ。」
キングは肩につくぐらいの長めの黒髪と目にかかりそうな前髪が特徴的で
瞳はルナと同じ血のような紅色で切れ長の瞳だった。
「実質、S級の長ですからヴァンパイアのトップと言っても過言ではないでしょう。」
「当たり前だ、俺を誰だと思っている。」
「はいはい、次は僕ね。僕はA級の長、称号は塔(ルーク)よろしくね、お嬢ちゃん♪」
パチンッとルナに向かってウインクをした。
ビショップはマリンブルーの瞳にキラキラと輝く金色の髪は彼の美しさを一層引き立てた。
「貴方って人は…改めまして私がB級の長、称号は僧正(ビショップ)よろしくお願いします。」
そう言ってビショップは頭を下げる。
長い銀髪は下で一つに縛られ
深い紫色の瞳は眼鏡で更に深さを増している。
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