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しかしその際も、菜花の攻撃は止まらない。
「そうやって知らないフリをするのは楽だよね」
「おい…」
「でもそのうち本当に苦しくなるよ。その時気付いたって遅いからね」
「黒来、いい加減にしろよ…」
かき上げた前髪の間から、怒りを帯びた目が覗く。
菜花はその理紫の目を見ると、大仰にため息をついた。
そして右手でシッシッとする。
「分かんねぇヤツには話しても無駄!」
どっかと椅子に座る。
いつもは淡々としている菜花が怒っている。
何を菜花は怒っているの?
海月は慌てて菜花の傍に寄った。
「菜花、どうしたの?」
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