第2話

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海月は「ありがとう」と菜花にだけ聞こえる様に耳元で言うと、タタタッと理紫の前まで走って行った。 「徳井くん!」 思い切り頭を下げる。 長い髪が舞う。 「菜花がごめんなさい!」 理紫も《今の彼女》も海月の行動にびっくりして目をまん丸くしている。 「徳井くんはとてもいい人です。私は《お友達》になったばかりですけど、それは良く分かります。私、お2人の事、応援します!」 2人にそう言った後、ゆっくりと微笑む。 今度は上手く笑えたと思う。 「海月ちゃん…」 怒りはどこかへ行き、理紫が情けない様な、参った様な顔をしたのを菜花は見逃さなかった。
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