2327人が本棚に入れています
本棚に追加
海月は「ありがとう」と菜花にだけ聞こえる様に耳元で言うと、タタタッと理紫の前まで走って行った。
「徳井くん!」
思い切り頭を下げる。
長い髪が舞う。
「菜花がごめんなさい!」
理紫も《今の彼女》も海月の行動にびっくりして目をまん丸くしている。
「徳井くんはとてもいい人です。私は《お友達》になったばかりですけど、それは良く分かります。私、お2人の事、応援します!」
2人にそう言った後、ゆっくりと微笑む。
今度は上手く笑えたと思う。
「海月ちゃん…」
怒りはどこかへ行き、理紫が情けない様な、参った様な顔をしたのを菜花は見逃さなかった。
最初のコメントを投稿しよう!