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真理が困って、悲しい顔をしている。そんな顔をさせたいワケじゃない。
真理が自分の事を心配して言ってくれているのも分かっている。
だけど、いくら大好きな真理の言う事だって絶対に譲る事は出来ないと、海月はそう思った。
「はーい、そこまで~!」
パンパンと菜花が手を叩く。
「海月、言い過ぎ~!真理、自分の気持ち入り過ぎ~!」
「…どういう意味よ」
真理が菜花を睨む。
「言葉通りよ」
菜花はニコッと笑って真理に言うと、海月の方を見る。
「海月、ちゃんと自分の気持ち分かってるじゃない」
「えっ?」
「ちゃんと『好き』って言えたから安心した。…真理もこれでスッパリ諦めなきゃねぇ」
今度は真理をチラッと見る。
真理がグッと小さく唸った。
「どっちにしろ、様子みよっか!」
明るく2人を見回す。
「そんなんじゃ…」
「真理、ストーップ!
海月がここぞという時に退かないのは真理も中学の時で知ってるでしょ?しばらく、いつもより注意深く、私とあんたで騎士(ナイト)を務めましょ?」
それを聞いて海月が
「…その言い方、好きじゃないよ」と言った。
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