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「仕方ないじゃない。海月は誰が見ても【姫】なんだから」
菜花に呆れた様に言われ、
「そんな事言うの、菜花だけだよ」
拗ねた声で海月が返す。
「…自分じゃ、気が付かないんだねぇ」
拗ねた海月を見て、真理も言った。
「真理ちゃんまで…っ!」
『う~ん』、菜花が考え込む。嫌な予感がする。
「…じゃあさ、どこにさ、放課後、好きな男を見る為だけに図書室の窓際に居るだけなのに【図書室のラプンツェル】だとか呼ばれて騒がれちゃう子がいるわけ?」
「す、す、好きな男って!」
突然そんな事を言われて、しどろもどろしてしまう。
「だって、結局はそうだったんでしょ?」
「そんな事!呼ばれてた事も知らないもの!」
とんだ薮蛇って、こういう事?そう、菜花に口でかなうワケがないのだ。
「気付かないところが【姫】なんだよね~。
そう言えば、色々言い訳もしてくれたよね~。『図書室は空調がいいから勉強しやすい』とか…」
「…ごめんなさい」
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