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ドキン‥ッ…
こんなに至近距離で見つめられて、海月は別の意味で話せなくなってしまう。
それによく考えたら、私、なんでこんな、理紫くんの膝なんかに座っているの?
冷静になって、自分を取り戻したら、意識のし過ぎでどうしたらいいのか分からない。
でも今さら…。
「…プッ」
すると、理紫がいきなり笑った。
いつもの手の甲を口元に当てて笑う仕草。
「残念」理紫はそう言うと、すっくと立ち上がり、海月の事も抱き上げる様にして立たせた。
そして、さっきとは違う表情で海月の事を見つめる。
「海月」
「…はい」
背筋がピンと伸びる。
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