7.

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「逃げられちゃったねぇ」 声が聞こえて理紫が見ると、入り口のドアにもたれかかるようにして菜花が立っていた。 「…髪くらい直しなさいよ。色男が台無しだよ」 「黒来…」 「何、情けない顔してんのよ。」 理紫がグシャグシャと頭をかく。 「…お前、いつからそこにいたんだよ」 「う~ん、途中から?」 菜花が、口に人差し指を立てて答える。 「出てった時、海月はお前に気付かなかったのか?」 「ちょっと横の方にいたからね~。まさか誰かがいるなんて思ってもみないだろうから。…あの子、すごい勢いで行っちゃったしね」 「…何で追いかけなかったんだ?お前、海月のボディーガードだろ?」 菜花がフフっと笑う。 「それは、真理がいるから大丈夫。私はねぇ…」 何だ、平井もいたのか…という顔をしている理紫に、 「徳井、あんたと話がしたかったから」 と、のたまった。
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