第5話

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昼休みが終わって、教室に戻っても海月の心は沈んだままだった。 受けた授業は、何1つ頭の中に入ってこない。 頭を回っているのは理紫の事と、昼に杉浦の言っていた事。 それに、今日は、理紫を見ていない……。 放課後、海月が帰り支度をしていると、教室に迎えに来た菜花が、開いたドアをコンコンと叩いた。 海月が急いでカバンを持ち駆け寄るなり、「…どうする?」と、聞かれる。 主語が無くても、『今日、図書室に行くか、行かないか』という事だと、すぐに分かった。 海月は躊躇う事無く、「行く…」と、答える。 「大丈夫なの?」心配そうに菜花が海月の顔を覗き込んだ。 「…大丈夫」海月がしっかりと頷く。 …大丈夫だと、何よりも理紫の姿を見たいと、海月は、その時はそう思っていた。
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