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もしかしたら、真理は理紫と会ったのかも知れないと思うと、変な嫉妬心がフツフツと湧いてくる。
仕舞った筈の会いたいという気持ちが、また頭をもたげてくる。
何んて勝手…。
「…隠さなくてもいいのに」
海月が無理に笑って言うと、
「違うからっ!」
顔の前で両手を横に振って、真理が否定する。
「じゃあ、何でそんな事、知ってるの?」
「…べ…、…ったの」
「えっ?聞こえない」
海月が聞き直すと、真理が降参という様に両手を上にあげる。
「この間、買い物してたら、偶然、阿部と会ったの」
阿部くん?理紫じゃないの?
不思議そうな顔をしている海月に、真理は
「…折角、海月が元気になってきたのに、わざわざアイツの話なんか、詳しく聞かせたくなかったのよ」
と言った。
「じゃあ、最初から徳井の事忘れろとか、話を持ち出さなきゃいいのに」
菜花が呆れた声で言う。
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