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「うぅ~、寒っ!」
菜花が、コートを羽織りながら、身震いをする。
3年生になって海月は、理紫と菜花と一緒に特進クラスに入った。
真理と杉浦と阿部は一般クラスだったが、いつも特進クラスの教室に遊びに来ていた。
夏には受験の息抜きに6人で夏祭りに行ったり、秋には、サッカーの高校選手権の予選に、菜花と真理と応援にも行った。
くじ運が良かったなどと言われたりしたが、初の予選ベスト8という結果を残して、理紫達の高校サッカーは終わる。
阿部が大泣きして、杉浦がそれを見て大笑いして……、理紫は何も言わずに黙って誰とも話をしなかった。
悔しそうな背中に、海月も声をかける事が出来なかった。
この1年として側にいて、理紫の色々な姿を見る事が出来た。
それで満足しなくちゃいけないと、海月はずっと自分に言い聞かせて過ごしてきた。
けれど…。
「もうすぐ、卒業か…」
菜花が白い息を吐きながら呟いた。
皆、進学先も決まって、後1ヶ月もすれば、この学校から巣立って行く。
海月の胸がキリッと痛んだ。
高校を卒業と共に、海月には決めていた事があったから。
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