13.

21/24
1405人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
「ホント?」 けれど、もう1度海月に聞かれると、理紫は口元に手をあてて、 「…イヤ、まだ聞きたい事がある」 と言った。 「…何?」 「単刀直入に聞いてもいい?」 …また、マスターの事かも知れない。 だけど、理紫の瞳の奥の光が揺らめいて、とても真剣な気がしたから、海月は思わずコクン…と息を飲んで、頷いた。 そんな海月に理紫が言った言葉は……。 「…俺としてみない?」 「はぁっ?」 カシャンッ‥、思わずグラスを倒してしまう。 『あーあーあーあー』と、言いながら理紫が側にあったお手拭きでカウンターのテーブルを拭く。 急いで駆け付けた店員が『よろしいですよ』と後始末をしてくれた。 「すみません。こいつ本当に鈍くて」 呆然とする海月の横でそんな会話が聞こえてくる。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!