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「ホント?」
けれど、もう1度海月に聞かれると、理紫は口元に手をあてて、
「…イヤ、まだ聞きたい事がある」
と言った。
「…何?」
「単刀直入に聞いてもいい?」
…また、マスターの事かも知れない。
だけど、理紫の瞳の奥の光が揺らめいて、とても真剣な気がしたから、海月は思わずコクン…と息を飲んで、頷いた。
そんな海月に理紫が言った言葉は……。
「…俺としてみない?」
「はぁっ?」
カシャンッ‥、思わずグラスを倒してしまう。
『あーあーあーあー』と、言いながら理紫が側にあったお手拭きでカウンターのテーブルを拭く。
急いで駆け付けた店員が『よろしいですよ』と後始末をしてくれた。
「すみません。こいつ本当に鈍くて」
呆然とする海月の横でそんな会話が聞こえてくる。
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