第8話 14.

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全身に纏った水滴も相俟(あいま)って、理紫はキラキラとしたオーラを放っている。 「は、早かったね?」 海月は、目の遣り場に困って、理紫から視線を外した。 「そりゃあ、ね…」 よそを向いていても、理紫が側に近付いて来るのが分かる。 「早く出ないと、海月が逃げちゃうかも知れないし…」 理紫はまだそんな事を言っている。 「…だから、逃げないって言ってるのに」 「ふぅん…、ならいいけど」 理紫はそう言うと、海月を軽々と抱き上げた。 「ひゃ…っ!」 海月の手から、ペットボトルが落ちて、音を立てる。
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