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「…何ンて声出してんの?」
理紫は声をたてて笑うと、海月を抱き上げたまま歩き出す。
向かっている場所がすぐに分かって、海月はうろたえた。
「理紫、待って!ペットボトル落とし…」
理紫は、最後まで言わせずに、口唇を重ねてくる。
いきなりの口付けと、直接の理紫の温もりに、海月はどうにかなってしまいそうだった。
頭が真っ白になる。
そんな海月が我に返ったのは、口唇が離され、さっき自分が直したベッドに下ろされた後だった。
沈む身体に、これから何が起こるかを考えて、思わず身体を固くする。
海月が身構えたのを見て、理紫は口元に笑みを浮かべると、
「…後ろめたい?」
聞きながら、掛けていたバスタオルを、邪魔とばかりに下に放り投げた。
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