第8話 14.

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「…何ンて声出してんの?」 理紫は声をたてて笑うと、海月を抱き上げたまま歩き出す。 向かっている場所がすぐに分かって、海月はうろたえた。 「理紫、待って!ペットボトル落とし…」 理紫は、最後まで言わせずに、口唇を重ねてくる。 いきなりの口付けと、直接の理紫の温もりに、海月はどうにかなってしまいそうだった。 頭が真っ白になる。 そんな海月が我に返ったのは、口唇が離され、さっき自分が直したベッドに下ろされた後だった。 沈む身体に、これから何が起こるかを考えて、思わず身体を固くする。 海月が身構えたのを見て、理紫は口元に笑みを浮かべると、 「…後ろめたい?」 聞きながら、掛けていたバスタオルを、邪魔とばかりに下に放り投げた。
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