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「理…紫…」
どうしよう、やっぱり怖い…。
視線が絡み合う。
きっと、自分は不安そうな顔をしているのだろう。
欲望に煌めく理紫の瞳が、心配そうに揺れていた。
「どうしたの?」
…それは直感だった。
このまま自分が怯えていたら、理紫はきっと止(や)めてしまう。
それだけは嫌!
理紫は口では強引な事を言っても、本当は優しいから…。
浅い呼吸を整えると、スルリと押さえられた手を外す。
「海月…?」
「もっと、キスして…」
海月は、戸惑っている理紫の首に両手を回して、出来るだけ甘い声でねだった。
少し語尾が震えてしまったが、これが、今の海月の精一杯。
理紫は少し驚いた様子だったが、海月が「お願い…」と、もう1度促すと、何も言わずに口付けてくれた。
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