第8話 14.

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「ちょっ、ちょっと海月?」 「…吐きそう」 両手を口に当てて、伏せると、理紫が焦った声で海月に、 「トイレ、行く?」 と聞いた。 しかし、頷く海月に理紫が手を添えて立たせようとするが、海月が動かない。 「海月?」 理紫が不思議そうに聞く。 すると、海月が、 「…ごめんなさい」 泣きそうに、笑って言った。 「私…、立てないみたい」 どうしよう…。 立とうとすると、足がガクガクして、力が入らない。 そんな海月の姿を見て、理紫はすぐさまダウンケットに海月をくるむと、抱き上げた。 そして、そのまま、何も言わずにトイレへ駆け出す。
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