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「あっ…」
自分のした事に驚いて、手を引こうとすると、反対に理紫に掴まれる。
「良くなってきたみたいだね」
理紫はニコッと笑うと、海月の横にしゃがみ込んだ。
その、労(いたわ)りと優しさを湛(たた)えた瞳を見ると、海月は何故か罪悪感でいっぱいになる。
「あの…、あのね」
ワガママ言って、迷惑かけて、私、何やってるんだろう。
すると、海月の気持ちを知ってか知らずか、理紫が空いている方の手で、海月の髪を柔らかく梳いて、
「海月、今夜はもう寝よう?
明日の朝、落ち着いてから、話は全部聞くから」
言いながら、海月の髪に口唇を寄せた。
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