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「…相変わらず、意地悪だよね」
トクン、トクン…と高鳴る胸の音をごまかす様に、そんな事を言って、海月は回された理紫の腕にキュッと縋る。
理紫はクスッ…と笑うと、
「海月は相変わらず、可愛い」
そう言って、海月の髪に顔を埋(うず)めた。
胸の鼓動がまた大きくなる…。
窓から覗く月ははんぶん…。
8ヶ月前、理紫と離れる事に泣いた時、照らしていた月は三日月だった。
次に見る月は、どんな月だろう。
海月は理紫の腕の中で、そんな事を考えながら、眠りに落ちていった…。
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